「KUSANAGI for さくらのVPS」は、さくらのVPS上でWordPressが高速に動作する無償の仮想マシンイメージです。
さくらのVPSの標準OSインストールとして、2016年10月31日からKUSANAGIの提供が開始されました。
今回は、さくらのVPSにKUSANAGIをインストールする方法、KUSANAGIの初期設定方法、WordPressをインストールする方法をご紹介します。
「KUSANAGI for さくらのVPS」のインストール
さくらのVPSの管理画面「https://secure.sakura.ad.jp/vps/」にログインします。
KUSANAGIをインストールするVPSサーバを選択して、VM操作画面にアクセスします。
右上の「OSインストール」ボタンから「標準OSインストール」を選択します。
インストールOSから「KUSANAGI」を選択します。
「新しいrootパスワード」入力欄にSSHでVPSにアクセスする際のrootパスワードを入力して、「設定内容を確認する」ボタンをクリックします。
「実行確認」が表示されるので、「インストールを実行する」をクリックします。
下記の画面が表示され、インストールが始まります。
インストールが完了すると、下記の画面のように緑文字で「稼働中」と表示されます。
これでさくらのVPSに「KUSANAGI」がインストールされました。
「KUSANAGI for さくらのVPS」へのログイン
「Tera Term」などSSHクライアントを使用して、「KUSANAGI」をインストールしたサーバにログインします。(今回はSSHクライアントとして、Tera Termを使用します。)
SSHクライアントを立ち上げて、ホストに「KUSANAGI」をインストールしたサーバのIPアドレスを入力して、アクセスします。
SSH認証が表示されるので、ユーザ名に「root」、パスワードに上記で設定した「新しいrootパスワード」を入力します。
ログインに成功すると、次の画面が表示されます。
「KUSANAGI for さくらのVPS」の初期設定
ログインができたら、「KUSANAGI」の初期設定を行います。
システムのアップデート
まずは、システムのアップデートをyumコマンドを利用して行います。次のように入力して、アップデートをしてください。
[root@kusanagi ~]# yum --enablerepo=remi,remi-php56 update -y
アップデート完了後、次のように入力して、一度サーバを再起動します。
[root@kusanagi ~]# reboot
再起動後、再度サーバにログインして、初期設定を行います。
(初期設定では、KUSANAGIで使用できる専用の「KUSANAGIコマンド」を使用します。)
次のように入力して、初期設定を開始します。
[root@kusanagi ~]# kusanagi init
サーバタイムゾーンの設定
サーバのタイムゾーンの設定を行います。
世界中のタイムゾーンが一覧で表示され任意のタイムゾーンを選択するのですが、このリストから探すのは少し面倒ですので、「Search or select timezone:」の後に”tokyo”と入力すると絞り込みができます。
“Asia/Tokyo”を選択します。
Search or select timezone: tokyo Asia/Tokyo
“東京”のタイムゾーンを設定すると下記の表示表示されます。
Applying Location: Asia/Tokyo
ロケール(使用言語)の設定
使用言語の設定を行います。今回は、2の日本語ロケール(ja_JP.UTF-8)を設定します。
“2”を入力して、Enter。
Select your using language. 1:English 2:日本語 q:quit Which are you using?:2
使用言語を選択すると、下記のように表示されます。
You choose: Japanese
キーボードタイプの設定
キーボードタイプの設定を行います。今回は、2の日本語キーボード(jp106配列)を設定します。
“2”を入力して、Enter。
Select your keyboard layout. 1:English 2:Japanese q:quit Which are you using?:2
キーボードタイプを選択すると、下記のように表示されます。
You choose: Japanese
ユーザパスワードの設定
ユーザー kusanagiのパスワードを設定します。任意のパスワードを入力してください。
(Changing passwordと表示されますが、新規設定となります。)
Changing password for user kusanagi. New password:
確認としてパスワードを再入力します。
Retype new password:
パスワード設定が完了すると、下記のように表示されます。
passwd: all authentication tokens updated successfully.
SSH鍵認証の設定
SSH鍵認証を行う場合の、ユーザー kusanagiのSSHユーザ鍵の作成を行います。
任意のパスフレーズを入力してください。
Generating public/private rsa key pair. Enter passphrase (empty for no passphrase)
確認としてパスフレーズを再入力します。
Enter same passphrase again:
鍵の作成が完了すると、鍵の作成に関する下記のようなメッセージが表示されます。
Your identification has been saved in /root/kusanagi.pem. Your public key has been saved in /root/kusanagi.pem.pub. The key fingerprint is: xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx root@ The key's randomart image is: +--[ RSA 2048]----+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | +-----------------+
MySQLのrootパスワード設定
MySQLのrootパスワードを設定します。パスワードには、アルファベット大文字小文字、数字、「.!#%+_-」のいずれかで構成される8文字以上の文字列を設定します。
Enter MySQL root password. Use [a-zA-Z0-9.!#%+_-] 8 characters minimum.
確認としてパスワードを再入力します。
Re-type MySQL root password.
Webサーバの選択
起動するWebサーバをNGINX、Apacheから選択します。今回は、2のApacheを選択します。
“2”を入力して、Enter。
KUSANAGI can choose middlewares. Please tell me your web server option. 1) NGINX(Default) 2) Apache Which you using?(1):2
アプリケーションサーバの選択
起動するアプリケーションサーバをHHVM、PHP7、PHP5から選択します。今回は、2のPHP7を選択します。
“2”を入力して、Enter。
Then, Please tell me your application server option.") 1) HHVM(Default) 2) PHP7 3) PHP5 Which you using?(1):2
初期設定の完了
次のメッセージが表示されると、初期設定は完了です。
innodb_buffer_pool_size = 128M query_cache_size = 64M monit is already on. Nothing to do. KUSANAGI initialization completed Done.
WordPressインストールの準備
初期設定完了後、KUSANAGIでWordPressを使用するためのプロファイルを作成します。
まずは、KUSANAGIコマンドのprovisionコマンドでWordPressを設置するディレクトリを作成します。
下記のように入力してください。([ディレクトリ名]には任意のディレクトリ名を付けてください。)
例)# kusanagi provision test_dir
[root@kusanagi ~]# kusanagi provision [ディレクトリ名]
ディレクトリが作成されると下記のように表示されます。
Target directory is /home/kusanagi/ディレクトリ名.
WordPressの言語設定
WordPressのインストールで使用する言語設定を行います。今回は、2の日本語版を設定します。
“2”を入力して、Enter。
Choose the installation language of WordPress. 1 : en_US 2 : ja q : quit Which do you choose?:2
言語を選択すると、下記のように表示されます。
You choose: ja
ホスト名の設定
WordPressで使用するホスト名(FQDN)を設定します。
今回は、例として www.example.com をホスト名として設定します。
Enter hostname(fqdn) for your website. ex) kusanagi.tokyo www.example.com
確認としてホスト名を再入力します。
Re-type hostname(fqdn) for your website. www.example.com
Let’s Encryptの設定
Let’s Encryptは認証局(CA)として「SSL/TLSサーバ証明書」を無料で発行するプロジェクトです。
今回は、Let’s Encryptを使用しないため、入力は行わず空のまま2度Enterを押してください。
データベース名の設定
WordPressで使用するデータベース名を設定します。
任意のデータベース名を入力してください。
Enter the name of your database.
確認としてデータベース名を再入力します。
Re-type database name you create.
データベースのユーザ名の設定
作成したデータベースのユーザ名を設定します。
任意のユーザ名を入力してください。
Enter user name for database データベース名.
確認としてユーザ名を再入力します。
Re-type user name for database データベース名.
データベースユーザのパスワード設定
作成したデータベースユーザのパスワードを設定します。
任意のパスワードを入力してください。
パスワードには、アルファベット大文字小文字、数字、「.!#%+_-」のいずれかで構成される8文字以上の文字列を設定します。
Enter password for database user 'データベースユーザー名'. USE [a-zA-Z0-9.!#%+_-] 8 characters minimum.
確認としてパスワードを再入力します。
Re-type password for database user 'データベースユーザー名'.
WordPressインストールの準備完了
WordPress本体のダウンロードが始まります。
最後に下記のような表示がされますので、これでWordPressをインストールするための準備は完了です。
Provisioning of [ディレクトリ名] completed. Access [ドメイン] and install WordPress!
WordPressのインストール
それでは、WordPressのインストールを行なうため、上記工程の「ホスト名の設定」で設定したURLにアクセスします。
例)http://ホスト名/wp-admin/setup-config.php
「さあ、始めましょう!」をクリックします。
データベース名には、上記「データベース名の設定」で設定したデータベース名、
ユーザー名には、上記「データベースのユーザ名の設定」で設定したユーザ名、
パスワードには、上記「データベースユーザのパスワード設定」で設定したパスワードを入力して、「送信ボタン」をクリックします。
※データベースのホスト名は、localhostのまま変更不要です。
※テーブル接頭辞は、「sakuravps_」など識別しやすい任意の接頭辞を入力してください。
「インストール実行」をクリックします。
ようこそ画面が表示されますので、任意の「サイト名」「ユーザー名」「パスワード」「メールアドレス」を入力して、「WordPressをインストール」ボタンをクリックしてください。
WordPressのインストールが完了すると、ダッシュボード画面に遷移します。
最後にWebページが表示されることを確認します。
以上で、さくらのVPSにKUSANAGIのインストール、KUSANAGIの初期設定、WordPressをインストールの設定は完了です。